社会的処方

社会的処方とは?

 

 社会的処方とは、患者さんに薬を処方するのと同じように、「社会とのつながりを処方する」という考え方です。医療関係者が、患者さんの健康面だけでなく、社会生活の面からの課題に目を向けて、地域社会における様々な支援活動につなげることにより、患者さんの健康維持と不安解消につながるります。

 たとえば、認知症で薬の管理が困難な患者さんがいたとします。医師はこの患者さんへ地域にある認知症カフェや患者会などへの参加を促します。そうすることによって、患者さんの生きがいづくりや服薬を見守る機会が増えるため、体調管理ができるようになります。つまり、医師が患者の会という「つながり」をお薬のように「処方」するというのが社会的処方です。

暮らすだけで健康になる街づくり

 

 我々は、その街で生活するだけで健康になる街づくりを目指しています。健康になるためには、病気にならないことです。そして、各季節にはそれぞれ起こりやすい症状が決まっていることから、季節に応じた生活を意識することが大切というわけです。

 そこで、我々は季節を感じる生き方である養生を健康法に取り入れ、それを推奨しています。そして、季節を感じるためには、季節を感じられる場所や時間が必要です。そのため、田舎の町おこしとして地域に養生場と呼ばれる健康を感じられる場所を作成し、そこで健康を考える時間を提供しています。

 そして、もう1つは自分の身体を知ることです。病気ではないけれど健康でもない状態である「未病」を意識することができれば、病気になる手前で予防ができます。そこで「未病状態」をアプリで簡単にわかるように、その状態を元に季節に必要な養生を進めるプロジェクトを進めています。

不便益のすすめ

 

 健康になるにはある程度の不便が必要です。

 暑い寒いはとても不快で嫌なことではありますが、暑さ・寒さがあるから自律神経が鍛えられ、体調が管理できます。ちなみに、自律神経は内臓機能やリラクゼーション、睡眠をコントロールしているので、普段から自律神経を鍛えておかなければ、自律神経機能は低下して調整力を失い、病気になりやすくなります。

 また、昔の家は段差が多く不便でしたが、この段差は毎日の筋力トレーニング見ないなもので、その家で生活していれば最低限の筋力が付けられたのですが、現在はバリアフリーの作りが多くなり、住んでいるだけでは筋力が付かなくなったので、あえて運動の時間を作るようにしないといけない。

 このように、健康になるためにはある程度の不便が必要なため、街の中に不便をわざと盛り込み、住んでいるだけで健康になる街作りを行っています。

 

健康行動で社会をイノベーションする

 

 季節に応じた生活を進めていくには、地域の自然や環境を意識する必要があります。そのため、養生では、季節に応じた野菜を食べ、その土地の恵みを頂くことを1番の健康法と位置付けています。季節は地域ごとに異なるので、その地域のものを食べることが必要ですし、同じ野菜でもその地域で採れたものには、その地域の環境を生き抜くために必要な栄養素が含まれています。

 そうなると、地産地消という生活が健康のためには一番良いということになり、地産地消は郵送や保存などにエネルギーをほとんど使わないのでとてもエコな健康法と言えます。そして、不便益を考えて、自律神経を鍛えるためにクーラーはなるべく使わない、生活するだけで筋力をつけるために車ではなく歩きを増やすなどの養生的な生活は環境に優しいサスティナブルな生活方法です。そこで我々は「健康になる力(健康行動)で社会をイノベーションする」を合言葉に、環境を意識した健康を推奨しています。

社会健康インフラ研究会(MIRAI Do-JYO)

日本地域健康医療コミュニティ研究会

 

社会を変えることで持続可能な健康を手にする。そのためには、何が必要なのかを、セラピストと市民で考える場所が「社会健康インフラ研究会」です。まだまだ、答えがない分野ですが、未来の子供たちに、未来に地球に優しい、持続可能な健康法を地域ぐるみで作っていければと思います。

ちなみに研究会の活動のベースとなっているのはオンライサロン「MIRAI Do-JYO」です。このオンライサロンで月に2回、これからの社会に必要な仕組みや考え方について、サロンメンバーと共有しています。そして、日本地域健康医療コミュニティ研究会を年1回開催し、地域の健康・医療の未来について話し合っていく機会を設けられればと思います。これかが、これからの新しい学会・研究会の形になると考えています。

 

YOJYOnet株式会社

 

持続可能な健康社会の実現を目指して

 YOJYOnet(株)では、持続可能な健康社会を実現するために必要な様々なコンテンツの作成・提供をしています。体調管理を行うためのアプリ「YOMOGI」、そのアプリに合わせたセルフケアを学ぶためのコンテンツなどを作成・販売しています。